入試対策の過去問と読書案内

入試対策の過去問と読書案内

2022年02月17日

こんにちは。編集部のKです。
大学入学共通テストも終わり、いよいよ受験シーズンが到来しました。
編集部でも2022年度共通テスト国語の分析を行いました。今回はその分析をもとに、過去問の重要性と入試に役立つ読書案内をお届けします。

Ⅰ 過去の良問の重要性
昨年よりセンター試験から共通テストとなり、今回で2回目の共通テストとなりました。複数テキストを用いた問題やノート形式などの思考力が求められる問題が、昨年よりもさらに増えました。
第3問の古文も本文2つの複数テキストの出題となりましたが、この本文2つがそれぞれ弊社刊行の問題集に掲載している本文と同じでした。

【文章I】『増鏡』は、弊社刊行「マスター古文3」に同じ本文が載っています。さらに、問題集では共通テストの傍線部A•Bを現代語訳の問題として出題しています。
【文章II】『とはずがたり』は、弊社刊行「新国語問題集第44集」に同じ本文が載っています。こちらは、2013年度東北大の入試問題を掲載したものでした。

特に古文は出典が重複しやすく、多くの古文に触れておくことの重要性がわかります。その中でもとりわけ、過去の良問と同じ本文が今後の入試でも出題される可能性があると言えそうです。

今回の『とはずがたり』を掲載していた「新国語問題集」シリーズは、過去の入試問題から良問を選定した入試対策の過去問集です。「新国語問題集」はオーダータイプのものもあり、42集から最新集の掲載問題の中から先生方でお好きな問題を選んで頂くことができます。(今回の『とはずがたり』も44集に掲載したものなので、オーダー問題集で該当の問題を選んで頂いていた場合は、ぴったり的中となりました。)

「新国語問題集」シリーズは、高校現場でご指導に当たられている現役の先生約25名で編集委員を構成しており、これらの先生方に毎年入試問題から良問を選定して頂き、解答も先生方で検討を重ね、質の高い解答を作成頂いております。
この「新国語問題集」の入試雑感でも、過去の良問を解くことの重要性を先生方が述べられることが多々あります。

 

Ⅱ 現代文の出典
出典重複については、古文で起こりやすいですが、現代文でも出題されやすい傾向というのが毎年あります。実際、今回2022年度の本試験で出題された現代文の出典やその著者も近年入試問題で出題が多い作品・著者からの出題でした。

現代文の【文章Ⅰ】で出題された「食べることの哲学」(檜垣立哉)は、2019年度に青山学院大・亜細亜大・岩手大・神戸大・北海道大・立教大でも出題されています。(出題箇所は今回の共通テストと異なります。)

現代文の【文章Ⅱ】で出題された「食べるとはどういうことか」(藤原辰史)は、同出典での出題はありませんが、藤原辰史氏の作品は近年出題が増加傾向にあります。昨年2021年度入試では、青山学院大・亜細亜大・学習院大・関西学院大・皇學館大・國學院大・摂南大・中央大・津田塾大・ノートルダム清心女子大の10大学で出題されています。

小説で出題された「庭の男」は、頻繁に入試問題として出題がある黒井千次氏の作品でした。同出典は2015年度に京都教育大で出題があります。

この結果からもわかるように、現代文については、近年出題が増加傾向にある出典や作者、頻繁に出題のある作者の作品に触れておくことで、入試の際に役立つかもしれません。

 

Ⅲ 入試に役立つ読書案内
そこで、頻繁に出題のある作者・近年出題が増加傾向の出典や作者をいくつか紹介したいと思います。
まずは、頻繁に出題のある作者からご紹介します。(*出題大学数は京都書房編集部調べ)

鷲田清一(2021年度約13大学、直近5年約56大学で出題)
「待つということ」(角川選書)、「〈ひと〉の現象学」(筑摩学芸文庫)、「わかりやすいはわかりにくい?─臨床哲学講座」(筑摩新書)など

外山滋比古(2021年度約6大学、直近5年約23大学で出題)
「思考の整理学」(筑摩文庫)、「異本論」(筑摩文庫)など

大澤真幸(2021年度約6大学、直近5年約20大学で出題)
「生権力の思想―事件から読み解く現代社会の転換」(筑摩新書)、「思考術」(河出ブックス)、「自由という牢獄―責任・公共性・資本主義」(岩波現代文庫)など

 

続いて、近年出題が増加傾向の出典や作者をご紹介します。(*出題大学数は京都書房編集部調べ)

青山拓央「心にとって時間とは何か」(講談社現代新書)
〔2021年度約5大学で出題〕

吉見俊哉「知的創造の条件」(筑摩選書)
〔2021年度約3大学で出題。他出典約2大学。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

桑子敏雄「何のための『教養』か」(ちくまプリマ―新書)
〔2021年度約3大学で出題。他出典約2大学。〕

 

石井美保「センザンコウの警告」
「コロナ後の世界を生きる―私たちの提言」村上陽一郎 編(岩波新書)
〔2021年度約2大学で出題。他出典約2大学。〕

 

河本英夫「哲学の練習問題」(講談社学術文庫)
〔2021年度約2大学で出題。他出典約2大学。〕

 

入試対策に繋がる読書案内として、参考になりましたら幸いです。
最新の「新国語問題集」シリーズのラインナップの出典の書籍も合わせてチェックして頂くと、さらに読書の幅も広がりますので、ぜひご覧ください。
2022年度も最新の入試問題を掲載した「新国語問題集第53集 現代文編」「新国語問題集第53集 古典編」を6月下旬に刊行予定です。

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